青森・赤石川の金鮎解禁 その7

投稿者: | 2020年7月10日

赤石川は毎年7月1日に解禁される。
まず例年最初に竿を出すのは第一エン堤だ。
早朝から攻めるも当るのはチビッ子ヤマメばかり。
アユの当りはないので、下流の種里の、名もない渕へと移動。すると「黒髪」と「青ライオン」に15~17センチ級が入れ掛り。楽しい解禁日を迎えることができた。
2日は雨で増水。ゆっくり休んで、3日は笹濁りで水位も下り、毛バリ釣りには絶好のチャンスタイムとなった。
今年から新しい道もできて、宿から20分ほどのポイントへ車で向かう。
風の感触が違う、熊の気配を感じるような山奥だ。
同行の阿萬さんご夫婦も一発目でサオが立つ。

 

各々5尾までは入れ食い、これぞ解禁の味か。それよりも、もっと良い釣り味を感じた。それは数ではない。アユ毛バリ釣りの醍醐味とは…。
“モゾモゾ”という感触。当りの前の当りである。即ちそれを「前ブレ」と先人達は言っていた。それを覚えるのに10年かかるという。テクニックとしては、「前ブレ」を感じたら、しばらく竿を止めて待つ。そうするとアユは一方的に絞り込む。その強い引きに耐えながら数回の引き込みを楽しんで取り込みに入る。この「前ブレ」は竹竿だと感度がよく移わるが、近代のカーボンロットでは相当の神経を集中させないと伝わることが難しい。久々の快挙であった。なんと言っても自然が最高だ。白神山地のブナの森から沸き出す清冽な水に泳ぐアユを「金鮎」という。

地元の釣友が電動草苅機で川のポイントまで道を作ってくれたので助かった。
4日も5日もこの場所で釣座を構えた。
私の新作毛バリ「みだれ髪」には深場で大型が。おまけに岩魚25センチがやってきた。熊の湯のご主人曰く、そのポイントは一番のぼりのアユ。海から25キロも登った魚の筋肉は強い。だから引きもすごいのだという。20センチ級の引き込みだが、タモ綱に入ったのは17センチ級でちょっとがっかり。しかし、一番のぼりのアユの引き込みにはすっかり参ってしまった。

これぞ天然アユ、赤石川の金鮎ならでは。

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