釣り方その1 『アユ毛バリ釣りの基本的な釣り方』

神奈川県相模川の小倉橋下流に広がるトロ場でサオを出す梅津幸則さん

最初から必要以上に立ち込まず、岸寄りから流心に向かって探っていくことも大切
講師は東京鮎毛バリ釣り研究会幹事長の梅津幸則さん
〈サオの保持法〉
アユの毛バリ釣りには主に、全長10〜12mもある専用の長ザオを使います。毛バリ釣り独特といえるサオの保持は大別すると下記のような2通りの握り方があります。状況や好みで使い分けるとよいでしょう。
aサオ尻から100cm前後の位置を中心にしてバランスを保つ握り方は“テンビン持ち”と呼ぶ。長ザオの持ち重りが軽減でき、女性でも意外と楽に支えることが可能。また、ねらうポイントが近い時に有効な保持方法だ
bテンビン持ちはサオを腰のあたりで保持しつつ、利き手で前方を握って仕掛けの上げ下げなどサオ操作を行う
ねらうポイントが遠い場合には、サオの全長いっぱいに伸ばして保持することが多い。まずサオ尻を下っ腹に当てて、サオ尻から数10cm上を両手、または利き手一本で支えてサオ操作を行う
〈仕掛けの上げ下げ誘い操作〉
アユの毛バリ釣りはサオを操って仕掛けの上げ下げ誘いを行い、毛バリに躍動感を与えることによってアユの興味を引いて、反射的に毛バリをくわえさせることが前提です。仕掛けの上げ下げ幅やリズムはベテランでも人それぞれ個性があります。まずは“習うよりも慣れろ”であれこれと試してみてください。
(注:この項はそれぞれ2枚の写真を組み合わせて進む)
①仕掛けを投入する際はアユを驚かさないよう静かにオモリを着水させることが第一。速やかに仕掛けを沈め、ミチイトがフッとたるんだ瞬間の着底を見逃さず、ミチイトを張る
②オモリが着底してミチイトを張った状態でひと呼吸待ち、ここからゆっくりとサオ先で聞き上げてアユの興味を誘う
③仕掛けの上げ下げ幅は川底から30〜50cmを目安とし、誘い上げの頂点で動きを止める。水深がある淵などではもう少し誘い上げ幅を高くしてもよい
④誘い上げの頂点で一瞬動きを止めた後、速やかに仕掛けを下ろし直し、サオ先でオモリが着底した感触を察したら仕掛けを止めてミチイトを張る。①の仕掛け投入に続いて、仕掛けの上げ下げ誘い②→③→④を繰り返す
〈仕掛けの横移動操作〉
アユの毛バリ釣りは流れを伴うポイントをねらうため、その流速を利用して上流から下流に向かって、扇形に広がる感じで仕掛けを横移動しながら、“仕掛けの上げ下げ誘い操作”と組み合わせてアユの就餌を誘うことが基本です。
①サオを構える釣り位置を決めたら、仕掛けは上流30〜45度に向かって静かに投入してスタート
②川の流れにあまり逆らわないよう、下流方向に向かって仕掛けの上げ下げ誘いを行いながら横移動させていく
③サオ先が正面の位置まできたら、体勢を少し下流に向くようにサオ操作するとよい
④さらに下流に向かって仕掛けの上げ下げ誘いを5〜7回繰り返した後、仕掛けを水面上に抜き上げ、静かに空中輸送して再び上流側から振り込む